僕が慢性腎炎を患っていることを知った知人からよく言われるのが、

「プロテイン摂りすぎじゃね?」

「筋トレやりすぎじゃね?」

「〇〇ニーやりすぎじゃね?」

といった内容。

3つ目は学生時代に同期からよく言われたが…

慢性腎炎の主な症状は「タンパク尿」なので、単純にタンパク質の摂りすぎ=腎臓に負担をかけるという縮図が見えてしまうのだろう。

今回のブログではまずタンパク質と腎炎の関わりについて語りたいと思います。

 

入院中体重は日に日に減っていっていた。

扁桃摘出前は75kg近くあった体重が筑波学園病院を退院するころには72kg台。

これはお粥ばかり食べていたのである程度は覚悟していたのだが、筑波大付属病院に移って通常食になっても体重の減少は止まらない。

単純に摂取カロリーが足りてなくて脂肪だけでなく、筋肉が落ちているのだろう。

2kgくらい減ったところで、主治医の齋藤先生が心配してくれ、タンパク質の制限を解いてもらい、カロリーをやや増やされる。

これで通常食に塩分制限がかけられているだけの食事になる。

タンパク質制限の食事とは1日のタンパク質量が60gに抑えられている食事だ。
タンパク質制限のかかった食事例

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筋トレやってプロテインがんがん飲んでいたころはタンパク質を1200gくらいは摂っていたので、僕にとってはあまりに少ないタンパク質量。

それは体重も減るわ。

教授回診でも、

「プロテイン飲んでるんだって?タンパク質摂りすぎると腎臓に負担がかかることがあるので、もしかしたら今後制限をかけさせてもらうかもしれない。」と少し遠慮目な言い方をされる。

この言い方は様々な配慮がみえる。

まず一つ目は医者としても患者の趣味嗜好は応援してあげたい気持ちもあること。

ボディビル系競技をやっていてプロテインを飲むことは応援してあげたい。

しかし、腎臓に負担をかける可能性が1%でもあるなら制限をかけざるをえない、という配慮。

2つ目はタンパク質の過剰摂取が必ずしも腎臓に負担をかけるとは限らないこと。

腎機能の低下を認める「腎不全」レベルまでいくと確実にタンパク質制限をかけられるが、

僕のように「腎炎」レベルではタンパク質制限がかからないのが最近の主流。

よって僕の場合は微妙で、通常食で少しタンパク質が多い程度なら問題ないけど、プロテイン飲んでまでっていうのは制限かけた方がいいのかな?どうかな?という医者陣営の迷いもみえる。

ここで腎臓とタンパク質の摂取の関係について僕の考えも示しておこう。

20年以上尿検査を行っていると、季節ごとの傾向も見えることがあった。

僕の場合、冬に尿たんぱくが増え、夏は減る傾向がある。

夏と冬で僕の生活で主な違いといえば、フィジーク競技をやっているため、冬はオフシーズンで体重が増え、夏は減量のため体重は減る。

そこで、「きっと体重が減ったら腎臓への負担が減り、体重が増えると腎臓への負担が増して尿たんぱくが増えるんだ!原因は体重だ!」

最初はそう推察すると同時にタンパク質の摂取量は関係ない可能性が高いと感じた。

食事のPFCバランスとしては、オフシーズン→糖質多め、タンパク質普通(といっても一般人より多い)、

減量期→タンパク質多め、低糖質

なので、タンパク質の摂取量が増える減量期に尿たんぱくは減っているわけなので、

「タンパク質の摂りすぎが腎臓へ負担をかけ、尿たんぱくが増える」という理屈は成り立たたない。

よって、プロテインをガンガン飲んでも腎臓への負担はさほどないと考えていい(と思う)。

もちろん常識的なレベルで、僕の場合は23g×体重/日のタンパク質量を摂るが、これが56g×体重/日以上になったときはさすがにどうなるかわからない。

さらに、先ほど推察した「体重の増減と腎臓への負担」も関係ないみたい。

カロリー過多の食事により、腎臓の糸球体の血管が動脈硬化を起こせばそれは負担となるのだろうが、僕の場合は血液検査で異常が出るほど体重は増えない。

では腎臓へ一番負担をかけるのは何か、現時点で言われていることは上気道感染症と腎臓との関係。

つまり風邪をひけば腎臓に負担がかかる。

詳細はこちら↓

http://akabane-tc.blog.jp/archives/5058199.html

 

僕は毎年冬には12回風邪をひき、2月には急性胃腸炎になることも多かったので、おそらくこれが腎臓に負担をかけ、冬になると尿たんぱくが増える原因になっていたと考えられる。

たしかに夏に風邪をひくことはめったにない。

また、プロテイン関していうと、ホエイプロテインにはシステインというアミノ酸が多く含まれており、これが免疫を強化する働きがある。

つまり風邪予防のためにはプロテインをむしろ飲んだ方がいいということ。

結果的に現時点では主治医の先生からはタンパク質制限は出ておらず、プロテインも飲むなとは言われていない。

僕の趣味、仕事をできるだけ応援しながら治療をしていくという配慮をしてくれるとてもいい主治医である。

 

※今回の見解はあくまで私個人の見解であって医学的根拠はありません。実際に慢性腎炎を患っている方は医師の判断にしたがってください。

続く。。