話は慢性腎炎からガラッと変わりまして、ボディビルに関することです。
アイアンマン2020年1月号に2019年ミスター日本に輝いた横川尚隆選手のインタビュー記事が載ってました。
出場した世界選手権について、今後の出場予定について、プロについて、ボディビル界についてなどが書かれていますが、ここでドーピング問題についても少し触れられたので紹介します。
記事を要約すると
・ IFBBプロには興味がない
・ ナチュラルでは(ドーピングをしなくては)勝てないから
・ ボディビルをスポーツとして捉えている(エンターテイメントではない)
・ IFBBエリートプロには前向きに考えている
・ 世界選手権に出てナチュラルでも勝負できると感じたから
文脈から彼はドーピングを心の底から嫌っているのがわかります。
先日こんなことがありました。
以前会員さんだった方がふらっとジムに立ち寄ってくれて、ジム内に貼ってある横川選手が掲載されたポスターを指さして、
「これも(ステロイドを)使ってるていう噂がすごいよね。ジムのトイレで打ってるらしいよ」
「へ~そうなんですか?」
ボディビルのトップクラスの選手はこの手の噂は仕方ないものです。
自分がどんなにトレーニングしてもそこまで大きくなれないものだから、ほとんど「やっかみ」で言っているものと思われますが、トップクラスの選手は誰でも通る道で、むしろ「疑われて一人前」という風潮すらあります。
ここまではただの噂話として聞いていたのですが、直後に仰天発言をします。
「連盟もわかってて、うまく隠してるらしいじゃん」
「はぁ?」
・・・
「連盟って僕ですよ!東京連盟ドーピングは厳しくやってますよ」
「あっそうなの?」
この「連盟」という場合、東京連盟ではなく、日本連盟(JBBF)のことを指していると思われますが、とんでもない噂が流れてしまっています。
連盟もグルになってるって…
筋肉美を競うコンテスト団体でJADAの協力のもと、ドーピング検査を実施しているのはJBBFおよびその傘下の各都道府県連盟、社会人連盟のみです。
今や筋肉美を競うコンテストは乱立していますが、JBBF以外の団体はドーピング検査を実施しておりません。
よって、(自分も傘下の団体の役員なのでひいき目な書き方をしてしまいますが)社会通念上JBBFの登録選手はドーピングをしていない“ナチュラル”な筋肉として解釈することになります。
ちなみに東京連盟では理事会でドーピングについて長々と話し合うこともありますし、大会中に怪しいと感じた選手は役員からJADAの方にチェックをお願いすることもあります(ドーピング検査を受けた選手は個人情報の観点から非公表になります)。
そういう意味ではドーピング検査をしていない他団体の選手はグレーと考えていますが、ドーピングについて厳しくチェックをしているJBBFでも毎年1~3人程度のドーピング違反者が出ていることを鑑みれば、他団体の選手は限りなくブラックに近いグレーと解釈しています(鈴木個人の見解)。
例えばJBBFの選手(に限らずスポーツ選手はみんな)は風邪薬一つ飲むのにも気を使います。喘息の薬なんてドーピング禁止薬が入っていることが多いのでほとんど使用できません。
他団体の選手が「いくら自分はナチュラルだ」といってもそこまで気を使っているでしょうか?そこまで気を使っているとしたらJBBFでやればいいんでしょうけど…
私など昨年大会に出なかったので、風邪ひいてはじめて麻黄湯を飲みました。麻黄湯は葛根湯の類でドーピング違反物質が入ってます。
過去大会に出ていないときに薬物に頼って筋肉づくりをし、数年後薬物をやめてマッスルメモリーを利用して通常のトレーニングをし、ドーピング反応が出ない状態で大会に出るという方法もあるようです。そういう意味では横川選手がドーピングをしているかどうかは本人にしかわからないという解釈もあるでしょう。誰も使っているところをみているわけではないし、使ってないところを見ているわけでもない。
ただ連盟もグルになってドーピングを隠しているという噂だけは全否定させていただきます。連盟の理事の方たちは本気でドーピングを嫌っている方たちの集まりです。会議をしていて話を聞いていればわかります。
※ここに書かれている内容は鈴木個人の見解であって、東京ボディビル・フィットネス連盟やJBBFの公式見解ではありません。
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