先日、公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)が主催する国際大会報奨金授与式&新年会に参加してきました。

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そこで披露されたのが2020年度よりJBBFにて新しく導入されるカテゴリー「フィットモデル」と「クラシックフィジーク」です。

フィットモデルはこんな感じです。
まずは赤羽トレーニングセンター会員の「ふぃっとねすたろう」さんの動画でご覧ください。
 


いかがでしょう?

非常に優雅な感じですね。

これで女性のカテゴリーは女子フィジーク、ボディフィットネス、ビキニフィットネス、ウィメンズフィットネス、健康美、そしてフィットモデルという6つのカテゴリーとなりました。

男子はボディビル、メンズフィジーク、クラシックフィジーク、メンズフィットネスと4つですから女子の方がカテゴリーの選択肢が多いことになります。

実は男子もフィットモデルはあり、国際大会では行われているようですが、日本に上陸するのはまだ先のようです。
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なぜ女性の方がカテゴリーが多いという現象が起きているのでしょう?

女性が筋トレを始める場合、健康のため、ダイエットのためなど目的は様々なですが、「女性らしい体つきになりたい」という理由も挙げられるでしょう。

ダイエットの手段としては食事制限、有酸素運動も考えられますが、女性らしい丸みをおびた体つきになるためにはある程度の筋肉が必要であり、筋トレは欠かせないものとなります。

しかし、筋肉がつけばつくほど、または脂肪を削り落とせば落とすほど「男性らしい身体つき」に近づくこともまた事実です。

「女性らしい身体つきになりたいと思って筋トレを始めたのに、男性らしい身体つきになってしまった…」

男性ビルダーが全く悩むことなく素直に筋肥大と脂肪燃焼に向き合っている間、女性ビルダーはこの矛盾と葛藤と闘うことになります。

女性ビルダーは乳房には大胸筋を、丸みのあるお尻には大殿筋を、引き締まった二の腕には上腕三頭筋を浮き上がらさなければならず、そのためには皮下脂肪は邪魔以外なにものでもありません。

減量している間は空腹感だけでなく、生理不順と闘うことにもなります。

このように男性顔負けのハードな筋トレと減量、身体つきになった女性ビルダーはステージに立つと一転、女性らしさが要求されます。

この極端なギャップともいえる精神作業なしに競技で勝利することはできません。

女性ビルダーは自分の性を放棄しているわけではないのです。

「女性らしい身体つきとは何か?」

この自問自答ともいえる日々の葛藤と闘いながら女性ビルダーは筋トレと減量に励んでいます。

そして当然この問いに対する答えはなく、「女性らしい身体つき」の解釈は人それぞれということになるでしょう。

それだったら人それぞれが導き出した回答の数だけカテゴリーの数があった方がいい。

こういった理由から女性のカテゴリー数は多い、と僕は解釈しています。

新カテゴリー「フィットモデル」はワンピース型の水着と動画のようなロングスカートのドレスを着用するので、お腹が隠れます。

よって皮下脂肪を極限までそぎ落とす極端な減量を必要としません。

そのような意味では「こういう身体を競う競技がほしかった」「このような身体を作ることをモチベーションとして筋トレに励みたい」という女性は少なからずいることでしょう。

ただしこれが「スポーツか?」というと確かに微妙です。

スポーツというよりはエンターテイメントやショーといった印象を受けます。

「ミス〇〇」といったモデルコンテストに近い感じがしますからね。

モデルコンテストとの差別化が図られている点はドーピングチェックがあることと、審査員の評価の透明性があるところでしょうか。

審査員泣かせの競技ともいえ、数年は審査員の評価にバラツキが出ることは想像に難くないでしょう。

ていうか今でもメンズフィジークとビキニフィットネスはバラツキがありますが…

「筋トレを始めてステージに立ってみたいけど、ビキニを着るのは抵抗がある」なんて女性にはぴったりの競技かもしれませんね。